パウロ
ゴールド鋳造師

マニュファクチュールにある秘密の場所は、昔から人々の欲望をかき立ててきた素材に捧げられています。それは、見た目からは想像も付かない重さや密度を持つ、光り輝く小さな金塊です。ショパールのゴールド鋳造師のひとりとしてこの分野に君臨するパウロは、マニュファクチュールの職人がラグジュアリーウォッチやゴールドのジュエリーの製作に用いるインゴットを加工しています。2018年以降、責任ある倫理的な採掘で得られたゴールドのみを使用するショパール。パウロたちゴールド鋳造師は、その担い手なのです。
「人々が私のことを錬金術師と呼ぶ理由としては、私がプレシャスメタルを変化させ、ショパールの100%エシカルゴールドを手掛けているからでしょう。世界中の人々が、私のゴールドで形づくられたウォッチやジュエリーを身に付けていることを心から誇りに感じます。ある意味において、私は彼らの夢を現実に変えることに一役買っているのですから」

―― パウロ、ゴールド鋳造師

パウロ、ゴールド鋳造師

"「真のラグジュアリーとは、サプライチェーンにおける実際のプロセスを確認できることであり、私はショパールの倫理的なゴールド調達プログラムを誇りに思っています。ショパールのアーティスティックディレクターとして、誇りを持ってブランドのクリエーションを身にまとわれるお客様と、ひとつひとつの作品のストーリーを共有できることを本当に嬉しく思います」"
―― キャロライン・ショイフレ

ショパールにおいて、ゴールドはすべてのベースになっています。メゾンのラグジュアリーウォッチの作動を司るムーブメントを収納するのはゴールド製のケースであり、プレシャスストーンをセットする素材もゴールド製のリングやチェーンです。しかし、ショパールのクリエーションに使われるゴールドは、いっそう特別なオーラを放っています。理由は、2018年以降、ショパールのアトリエで使用されるゴールドすべてが100%エシカルなものになったため。パウロはこの素材を、“錬金術”を駆使して探求し続けているのです。今日、幸運にしてこの仕事にたどり着いたパウロは、とても満足しており、自分が、ブランドのクリエーションを身に付けるオーナーのもとで輝くゴールドに触れられる、メゾンで最初の職人であることを自覚しています。

こうした名誉こそが、2001年にマニュファクチュールに入社して以来、彼の情熱をかき立てているのです。

安全が確保されたアトリエで、パウロは18Kゴールドのインゴット加工に必要なすべての素材を手にすると、それらをるつぼに置いて1000度以上の熱を加えます。次に融解した金の混合物を鋳型に流し込み、インゴットに成形した後、水で冷却して結晶化させます。そしてインゴットを圧延ローラーで適切な硬度に仕上げて完成させるのです。ショパールの熟練した「錬金術師」であるパウロ。彼は常に同じ情熱をもって、この工程を繰り返し行うのです。

ショパール
自社でゴールドを鋳造するという特権

プレシャスメタルの鋳造所を自社に持つことは、ジュエラーにとって貴重な特権のひとつです。ウォッチやジュエリーを製作するマニュファクチュールのほとんどは、素材を合金に作り替える鋳造アトリエを持っていません。ラグジュアリーウォッチやファインジュエリーが純金で製造されることはまずありません。元来ゴールドは素材として柔らかすぎるため、銀、銅、パラジウムなどを混ぜ合わせた合金として使用されています。ローズ、イエロー、ホワイトといった18Kゴールドのカラーを決定付けるのは、それぞれの素材の分量によるものです。1978年以来、ショパールはこの作業を自社の鋳造アトリエで行っています。

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